【どんなおはなし?】
ある学校の一年生たちの1日の様子が、たくさんの写真を通してよく分かるおはなし。
朝、まだみんなが来ていない教室から始まり、朝の会、国語、生活の授業、休み時間、算数、体育、給食、掃除、音楽、帰りの会と、学校生活のさまざまなシーンがたくさんの写真で描かれます。
【おすすめポイント】
大人はみんな「小学校は楽しいよ!」っていうけれど、わからないこともたくさんあるし、ドキドキする・・・。
この絵本、そんな小学校入学を控えた5歳児さんにとってもオススメです!
小学校入学を描いた絵本は他にも素晴らしいものがたくさんありますが、この絵本の最大の特徴はなんといっても写真の多さ!
ある学校の一年生の教室全体を俯瞰した写真を基本にして、授業や休み時間など、小学生の生活をたくさんの写真で覗き見できちゃいます。
絵本というよりも、「小学校の写真集」という表現のほうが正しいかもしれません。子どもにとって、学校生活がこれほど具体的にイメージできる媒体は珍しいのではないでしょうか。
さらに素晴らしいのが、切り取る場面の細かさです。
早朝、ほとんど誰も来ていない静かな教室。
朝の会が始まる前のザワザワ感。
一日中ずっと虫のことを考えている男の子。
怪我をして体育を見学する子。
黒板を消すお当番。
給食を食べ終えるのがちょっと遅い女の子。
・・・などなど挙げればキリがありませんが、子どもたちがついつい自分と重ね合わせて共感してしまう場面が本当にたくさん描かれています。
そして、途中で挟まれる一覧のおまけページ。これが子どもたちに大人気なんです!
ランドセルの中身全部や、ズラーッと並んだみんなの筆箱(ポケモンやリラックマなどキャラクターもの多数)。
休み時間のいろいろな遊び。
1ヶ月の給食の献立。
理科室や工作室にあるいろいろな道具。
極めつけは、みんなが下校した後の夕闇に包まれる学校!
誰もいない教室・・・。真っ暗な昇降口、廊下、階段・・・。
眠っている金魚・・・。人体模型・・・・。
そしてまた次の日の朝に・・・。
小学校の魅力がぎっしり詰まっていて、それでいてとてもわかりやすいスゴい絵本(写真集)ですよ!
【読む時のポイント】
この本には一度にたくさんの子どもたちが登場して、それぞれがいろいろなことを考えたり喋ったりしています。
それらは本文とは別にフキダシの形で描かれているのですが、無理してすべて読み聞かせる必要はないかなと思います。
聞いている子どもの様子に合わせて省略して読み進めてもいいですし、「なんて言ってるの?」と興味をもっていたら読んであげると良いと思います。
読み返すたびに新たな発見がある本なので、5歳児なら子どもだけでじっくり読み込むのも楽しんでくれますよ。