ぼくのかえりみち ひがしちから
【どんなおはなし?】
男の子が学校からの帰り道で、「白い線の上を歩く」というルールを決めて帰宅するおはなし。
【おすすめポイント】※少しネタバレあり
白い線の上だけを歩く。黄色いタイルだけを踏んで歩く。石ころを無くさないように蹴って帰る・・・。小さい頃、こんな自分ルールを決めて歩いたことはありませんか?
この本は、そんな誰もが経験する自分との闘いを緊張感あふれる大冒険として描いています!
主人公のそら君が進む白線の周りには、やっかいな罠がいっぱい!いつもなら迷わず捕まえに行くトンボやザリガニ、白線を遮る工事中の赤コーン、白線の上に寝そべる大型犬!そら君はそれら数々の困難を、勇気と忍耐、そしてルールの拡大解釈で乗り越えていきます!(笑)
この本の大きなおすすめポイントは、場面ごとに白線以外の部分が断崖絶壁として描かれ、そら君の想像の世界やそのスリルを、見ている子どもたちが共有できるところ!特に横断歩道を渡るシーンや、赤コーンを乗り越えるシーンは、高いところが苦手な人なら思わずゾクゾクする描写がなされています。最後の最後、あともう少しで家に帰れる!というところで白線が途絶えてしまうのですが、そのシーンの絶望感もすごいです!(笑)
はたしてそら君は無事に家まで帰れるのか・・・!続きはぜひ絵本でお楽しみください!
【読む時のポイント】
ドキドキ感が面白い絵本なので、「落ちたらどうしよう・・・!」という緊張感を煽るような口調で読んであげましょう。子どもたちも夢中で見てくれますよ。また前述のように、白線以外の部分が断崖絶壁として描かれるページがあるのですが、その部分に文章はありません。普通にめくるとあっという間に過ぎてしまうページですが、そのページこそ子どもたちをこのお話に引き込むカギになっているので、すこーし手を止めて、そのページをじっくり見せてあげるのがポイントです。
さらにもう一つとっても大切なことがあります。それは、交通ルールの確認!白線だけを歩く遊びはとても楽しいのですが、夢中になりすぎてそこが道路だということを忘れるととても危険です!車が来たら道の端に避ける、工事中の場所には近寄らない、横断歩道は左右をよく確認して渡る、などの基本的な交通ルールを、この絵本を読んだ後にはしっかり振り返りたいですね。