【どんなおはなし?】
やまんばに食べられそうになった小僧が、和尚さまから貰った不思議な三枚のお札を使って逃げるお話
【おすすめポイント】※少しネタバレあり
日本のスリリングな昔話「さんまいのおふだ」の絵本です。
「さんまいのおふだ」の絵本は他にもたくさんありますが、
この絵本、話の長さや言葉のチョイス、絵の親しみやすさ、やまんばの怖さがものすごくちょうどいいんです!(笑)
和尚さまのおつかいに山へ出かけた小僧。ところが夜になって帰れなくなってしまい、偶然出会った優しいオババの家に泊めてもらうことになります。
とても優しいオババが実はやまんばだったことが明らかになったあたりから、子どもたちの目は釘付け!周りで遊んでいた子も集まってきます。
「おしっこがしたくなった」と嘘をついて逃げようとした小僧に、やまんばは縄を巻きつけて便所に向かわせます。
小僧は機転を利かせて縄を柱に巻きつけて一枚目のお札を貼り、こうお願いします。
「おらの代わりに、返事してくれろ。」
ここからがこの絵本の本領発揮!
やまんば「こぞうこぞう、しょんべん出たか?」
お札「まぁだまだ、おしっこちょろちょろでてるとこ♪」
というやまんばとお札のやりとりに、子どもたちは大笑い!
しかもその中身のないやりとりが何回か繰り返されるので、「キャー!笑」と悲鳴にも似た声で笑ってくれます。
「ええいっ!いつまでしょんべんしてるんだっ!!(怒)」
と鮮やかすぎるツッコミを入れるやまんばはいつの間にか、怖くて面白いとても魅力的なキャラクターに(笑)
そこからは息もつかせぬ展開!
残り二枚のお札を使い必死で逃げる小僧!
お札の妨害をものともせずに、ものすごい速さで迫るやまんば!
遠くに見えてきたお寺!
果たして小僧の運命は!?
【読む時のポイント】
和尚さんのセリフはゆったりと、小僧がやまんばに気がつくところは静かに、やまんばに追われるシーンは息もつかせないような感じで・・・と、テンポや雰囲気の変化を意識しながら読むと、子どもたちを引き込むことができますよ!
また、子どもたちが大好きな
やまんば「こぞうこぞう、しょんべん出たか?」
お札「まぁだまだ、おしっこちょろちょろでてるとこ♪」
のやりとりは、ウケ具合に応じてさらに何回か繰り返すのもオススメです!(笑)
石崎 洋司 大島 妙子
講談社
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